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2024.03.17

脚で蹴る力はどれくらいか2

頭蓋に外力が作用した際に頭蓋骨骨折が生じる力について考えてみる。頭蓋骨は部位によって厚さが違い、前頭部、後頭部や頭頂部の骨に比べ、側頭部は薄くなっており脆弱である。

個人差はあるが、紙のように薄い側頭骨を経験したこともある。

頭蓋骨骨折の様態には、大きく分けて線状骨折と陥没骨折がある。(他にもあるがここでは割愛する)

作用面の広い鈍体(床面、壁面等)が作用した場合には、線状骨折となり、作用面の狭い鈍体(金槌、ハンマー等)では陥没骨折になるとされている。

陥没骨折を起こさず線状骨折となる作用面の大きさは約1平方インチ(2.54cm×2.54cm)とされている。

衝撃荷重をF、成傷器重量をm、成傷器が頭部に衝突後の移動距離をl、作用時の初期速度をvi、衝突後の最終速度をvfとする。

頭部によって吸収されたエネルギーを成傷器の運動エネルギーの変化と考えると E=1/2m(vi-vf) であり、重量6kgの物体が6m/sの速度で衝突して静止した場合、108Jとなる。

運動の第二法則、F=maa;加速度、m;重量)であるから次元解析で F=ml/t2 となる。

速度の物体がだけ進むことによって速度がゼロになったと考えると、速度がゼロのなるまでの時間は l/v で与えられるので、次元解析から t=l/v と評価できる。

従って衝突後の頭部が移動する距離条件を加味すると、F=ml/t2t=l/v を代入し、衝撃荷重は F=m(vi-vf)/l と表すこともできるから、衝突から静止するまでの時間と衝突後の移動距離によって結果は左右されることがわかる。

文献上の衝撃実験では約6kgの鈍体を平均速度約6m/sで衝突させて頭蓋骨骨折を再現しており、骨折を生じせしめる力はそれほど大きなもので無くても構わない。

同実験では作用面の大きさが異なる略同重量の鈍体を同速度同条件で衝突させた結果も示している。

頭蓋骨骨折の発生は、接触表面積と組み合わせた衝撃強度に依存する可能性を肯定しており、接触面積が大きいほど頭蓋骨骨折を発生させるにはより高い衝撃強度が必要になるという。

即ち、接触面積の大きい鈍体のほうが、接触面積の小さい鈍体よりも、頭蓋骨骨折を発生させるためには、より強い衝撃が必要になると考えられる。

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