かぜ症候群の合併症

‘’かぜ’’の季節になりました。いわゆる’’かぜ’’は、そのほとんどがウイルスによる気道(喉から気管支)感染症で一般には軽症と考えられています。でも、昔から「かぜは万病のもと」といわれているように、いろいろな大きな病気のサインであったり、時には重症となる合併症を引き起こしたりします。
小児では、呼吸困難から気道閉塞にいたるクループが重要で、幼稚園から小学校低学年に多い急性喉頭蓋炎(細菌性クループ)は、治療が遅れると、死に至ることもあります。3歳以下ではウイルス性クループが多く、こちらは比較的軽症です。喉頭より下のほうに症状がすすめば、気管支炎、肺炎となっていきます。はじめはウイルス感染症であっても、気道の表面の防御機構がこわされて、細菌の2次感染がおこるので、適切な抗生物質を使っていく必要があります。細菌感染症では、副腎皮質に出血を起こし急激に容態の悪化するWaterhouse-Friderichsen症候群や、髄膜炎なども、はじめは軽い’’かぜ’’症状しか見られないことがあります。  
ウイルス感染症では、脳炎、無菌性髄膜炎、ギランバレー症候群などの神経合併症が見られるほか、心臓では、心膜炎、心筋炎がしばしば経験されます。重症化すると心不全や不整脈へと進展する例があり、 特に心筋炎は突然死の原因のひとつとして重要です。熱があるとか全身状態の悪いときには体の中で、フリーラジカル、インターロイキンなどの活性の変化があったり、カテコールアミン、ホルモンバランスなども崩れている場合があり、突然死の原因の一つと考えられています。こうした理由からも37℃以上の有熱時の運動は禁止してください。
いずれにしても、予防が一番大切でありますので、うがい(一日4回以上)、手洗い、マスク、睡眠の確保などに気をつけてください。また、”かぜ”は喉、鼻、気管だけではなく、全身の疾患と考えることが重要です。最後に、インフルエンザの場合、ワクチンは明らかに合併症を減らすことができますので、接種を心がけてください。